アインシュタインは一般共変性の要請を定式化するために数学を準備し始めます。 B 一般的な共変方程式の形成に対する数学的補助手段 を読みます。一般相対性の仮定は私たちに、物理学の方程式は座標 x_1,x_2,x_3,x_4 の任意の変換に対して共変であるべきであるという要請に導くことを見てきました... 続きをみる
アルベルト・アインシュタインの論文を読むの人気記事
-
-
物質がない場合の重力場の方程式を議論したアインシュタインは、一般的な重力場の方程式の議論に移る前にエネルギー運動量の法則について議論をしています。そこで、次は標記論文の第15節 15 重力場に対するハミルトン関数、運動量・エネルギーの法則 を読みます。アインシュタインは、場の方程式が運動量とエネ... 続きをみる
-
物質がない場合の重力場に関する議論を終えたアインシュタインは次にこの理論を物質がある場合へと拡張します。そこで第16節 16 重力の場の方程式の一般形 を読みます。アインシュタインは、、第15節で定式化された物質のない空間での重力場の方程式は、ニュートンの重力理論の重力場の方程式 ▽^2φ = ... 続きをみる
-
一般共変性の要請を定式化するために数学を準備ができたので、アインシュタインはいよいよ C 重力場の理論 の部に議論を進めて、重力場の理論の建設に取り掛かります。そこでまず第13節 13 重力場における質点の運動方程式、重力場の成分に対する式 を読むことにします。特殊相対性理論によれば、外力の作用... 続きをみる
-
前回の投稿でアインシュタインが述べているテンソル解析と共変微分について一通りその計算を追うことができましたので、次節に進みます。標記論文の第12節 12 リーマン・クリストッフェルのテンソル を読みます。アインシュタインはこの節で、基本テンソルだけから微分によって得ることができるテンソルを探すと... 続きをみる
-
標記論文の第11節 11 特別な重要性をもったいくつかの場合 の続きを読みます。アインシュタインはこの節でテンソル解析について述べていますが、共変微分をテンソルの拡大と呼んでいます。共変テンソルについては前回見ましたが、その他のテンソルについては発散の考察の中で述べられています。 アインシュタ... 続きをみる
-
前節では共変テンソルの共変微分について考察がなされました。反変テンソルや混合テンソルの共変微分については、次節で論じられているテンソル解析の中で述べられています。そこで第11節 11 特別な重要性をもったいくつかの場合 を読みます。アインシュタインは、この節でテンソルに関する種々の微分演算につい... 続きをみる
-
前節では線素の平方を与える基本テンソル g_μν について詳しく考察しました。線素の平方は隣接する時空点の関係を示すものです。次節では離れた時空点を結ぶ測地線について考察をします。第9節 9 測地線の方程式、粒子の運動 を読みます。線素 ds はスカラーで隣接する2点の距離ともいうべき量で、座標... 続きをみる
-
1905 年の論文「運動物体の電気力学」 B 電気力学の部(その3)
標記論文の B 電気力学の部 6 真空に対するマックスウェル-ヘルツの方程式の変換.磁場中での運動によって生じる起電力の性質について という節の続きをさらに読んでいきます。真空中のマックスウェル-ヘルツの方程式が静止系 K 系から運動系 k 系へと座標変換されるのにともない、静止系 K 系での電... 続きをみる
-
第5節では、テンソルの加法と減法の規則について述べられていましたが、第7節 7 テンソルの乗法 ではテンソルの乗法について述べられています。アインシュタインはまずテンソルの外積について述べています。n 階のテンソルの成分と m 階のテンソルの成分を用いて、一方のテンソルの成分に他方のテンソルの各... 続きをみる
-
-
前節では、慣性の法則が成り立つような座標系 K 系に対して第2の座標系 K' を考え、他の物質から十分遠く離れた物質が形作る物体を座標系 K' が K に対して一様に加速されている並進運動をする場合と、K に対して加速はしていないが一様な重力の影響下にある場合を比較して、自然現象の物理学的な記述... 続きをみる
-
1911年の論文「重力の光の伝搬への影響について」(その3)
第2節では一つの物体を考察するにあたっては、重力加速度 γ の一様な重力場の中の定常的な座標系に関する重力質量と、重力場のない空間を一様な加速度 γ で移動する座標系に関する慣性質量が正確に等しいことを見ました。続いて標記論文の第3節 3 重力場における時間と光の速度 を読みます。この節において... 続きをみる
-
1911年の論文「重力の光の伝搬への影響について」(その2)
重力場の力線が z 軸の負の方向へ向かうように向きのつけられた定常な座標系 K と重力場のない空間において z 軸の正の方向へ一様な加速度 γ で運動している座標系 K' が物理学的に全く同値であるという仮定が真である可能性について特殊相対性理論の見地から考察を進めます。標記論文の第2節 2 エ... 続きをみる
-
1911年の論文「重力の光の伝搬への影響について」(その1)
本ブログ開設の当初の目的は筑摩書房の書籍 アインシュタイン論文選「奇跡の年」の5論文 アルベルト・アインシュタイン 著 ジョン・スタチェル 編 青木薫 訳 筑摩書房(ちくま学芸文庫) 2011年 に訳出されているアインシュタインが1905年に発表した論文の一部を読んでその読後報告を書くためでし... 続きをみる
-
前回の投稿では、アインシュタインが重力が光の伝搬に与える影響を重力場における時の刻みの遅れから評価されることを論じた論文を読みました。しかし瞬間的ではあるにせよ、ローレンツ変換を利用していたので、空間についても収縮が起きているはずですが、それは考慮されていませんでした。 人類の知的遺産68 ア... 続きをみる