1905年の論文「熱の分子運動から要請される,静止液体中に浮かぶ小さな粒子の運動について」(その4)
標記論文の第4節 4. 液体懸濁粒子の無秩序運動と,運動と拡散の関係について の続きを読みます。ここまでで、アインシュタインは単位体積あたりの懸濁粒子数 ν = f(x, t) は拡散方程式 (∂f/∂t) = D(∂^2f/∂x^2) を満たすべきであることまでは導いていましたが、目的であった... 続きをみる
2022年4月に書かれた記事
1905年の論文「熱の分子運動から要請される,静止液体中に浮かぶ小さな粒子の運動について」(その4)
標記論文の第4節 4. 液体懸濁粒子の無秩序運動と,運動と拡散の関係について の続きを読みます。ここまでで、アインシュタインは単位体積あたりの懸濁粒子数 ν = f(x, t) は拡散方程式 (∂f/∂t) = D(∂^2f/∂x^2) を満たすべきであることまでは導いていましたが、目的であった... 続きをみる
1905年の論文「熱の分子運動から要請される,静止液体中に浮かぶ小さな粒子の運動について」(その3)
今回の投稿に際し、先ず本ブログを閲覧してくださった方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。そして特殊相対性理論について多くを教えていただき、このブログを開設してはどうかと勧めてくださった近隣の某ブログ主催者の方にも感謝申し上げます。ブログ開設以来アクセス数が延べ1000を越えました。一... 続きをみる
1905年の論文「熱の分子運動から要請される,静止液体中に浮かぶ小さな粒子の運動について」(その2)
標記論文の第3節 3. 微小な懸濁球体の拡散理論 を読みます。この節でアインシュタインは懸濁粒子が液体中にランダムに浮かんで分布している系を取り上げています。そしてそれぞれの粒子には位置に依存するが時間には依存しない力 K が作用しているという仮定の下で、懸濁粒子の力学的平衡について調べています... 続きをみる
1905年の論文「熱の分子運動から要請される,静止液体中に浮かぶ小さな粒子の運動について」(その1)
ここまでアインシュタインの『特殊相対性理論』と『光量子仮説』に関する論文を読んできました。 アインシュタイン論文選「奇跡の年」の5論文 アルベルト・アインシュタイン 著 ジョン・スタチェル 編 青木薫 訳 筑摩書房(ちくま学芸文庫) 2011年 には、5本の論文が訳出されていますので、形だけです... 続きをみる
1905年の論文「光の生成と変換に関する,ひとつの発見法的観点について」(その8)
アインシュタインが、光がエネルギー量子から出来ているとしたときに着目した光の発生と変換の2つ目の法則は、光電効果です。そこで第8節 8. 固体への光照射による陰極線の発生について を読みます。アインシュタインはこの節で光量子仮説によって光電効果を解明し、このことがノーベル賞受賞の切っ掛けとなり... 続きをみる
1905年の論文「光の生成と変換に関する,ひとつの発見法的観点について」(その7)
いよいよ標記論文の第6節 6. 単色放射のエントロピーの体積依存性を表す式につての,ボルツマン原理に基づく解釈 を読みます。有名な光量子仮説が登場します。アインシュタインは標記論文の第4節で単色放射のエントロピーの体積依存性について S - S_0 = (E/βν) ln (v/v_0) という... 続きをみる
1905年の論文「光の生成と変換に関する,ひとつの発見法的観点について」(その6)
標記論文の第5節 5. 気体のエントロピーと希薄溶液のエントロピーの,体積依存性に関する分子論的考察 を読みます。アインシュタインは、分子論の方法でエントロピーを計算するとき、“確率”という言葉が確率論の定義とは異なる意味で用いられることが多いと述べています。コルモゴロフによって確率をルベーグ測... 続きをみる
1905年の論文「光の生成と変換に関する,ひとつの発見法的観点について」(その5)
第2節では、プランクの輻射公式 ρ_ν = αν^3/{e^(βν/T) - 1} で、波長が長く、放射のエネルギー密度が大きい場合、つまりレイリー・ジーンズの輻射公式の場合、βν/T ≪ 1 のときの近似式 e^(βν/T) ≒ 1 + βν/T を利用して、これまで用いられてきた理論的基礎が... 続きをみる
1905年の論文「光の生成と変換に関する,ひとつの発見法的観点について」(その4)
前回無理矢理3月中の投稿をしましたので、満足のいく報告にはならなかったのですが、冷静に他の投稿と比較して読んでみれば今までと50歩100歩なので、よしとしてご批判に甘んじることにします。 さて、次は第2節 『2. プランクが求めた諸素量について』 です。アインシュタインはこの節でプランクが黒体... 続きをみる