アルベルト・アインシュタインの論文を読む

アインシュタインの論文に関する独断と偏見に満ちた読後報告です。

1905年の論文「分子の大きさを求める新手法」(その8)

 前回、球面に及ぼされる圧力の座標成分 X_n = kξ{2A - (5AP^3/ρ^3) + 20FP^3}/ρ, Y_n = kη{2B - (5BP^3/ρ^3) + 20FP^3}/ρ, Z_n = kζ{2C - (5CP^3/ρ^3) + 20FP^3}/ρ, か計算できました。ということで標記論文の第1節 1. 液体中に浮かぶ微小な球が,液体に及ぼす影響 の続きを読みます。いよいよ…

1905年の論文「分子の大きさを求める新手法」(その7)

 いまだに標記論文の第1節を読んでいます。一口に運動方程式を解いて解を求めるといっても、一長一短に出来るわけではないことがよく分かります。運動方程式を解くという行為は方程式を、解けるように、解けるように、つじつまを合わせて解いていくという感じです。そのために仮定を設けたり、寄与を判断して、寄与の少ないものを無視したりします。  そんなわけで、アインシュタインに従って半径 R の領域内部にある液体…

余談(その4)

 クォークのカラー荷は三原色 R, G, B に例えられます。そして観測にかかるハドロンとメソンを構成するクォークのカラー荷の和は無色であるとされます。この無色のことを零と表現したりもします。  一方、クォークは分数の電荷をもち、ハドロンやメソンはもつ電荷はそれを構成するクォークの電荷の総和であるとされています。これをヒントに、例え話ではなく、クォークと反クォークがもつカラー荷というものを数で表…

1905年の論文「分子の大きさを求める新手法」(その6)

 アインシュタインがストークス近似された連立方程式の定常解を見出したところまで読み進むことが出来ましたが、まだまだ先があります。標記論文の第1節 1. 液体中に浮かぶ微小な球が,液体に及ぼす影響 の続きを読みます。  さて、速度場の関数 u, v, w を空間点 (x_0, y_0, z_0) の回りにテーラー展開して一次の項で近似できる範囲の領域 G を考えましたが、その空間点の回りに半径 R…

余談(その3)

 1995年公開の劇場版『ドラえもん のび太の創世日記』では、ドラえもんが未来デパートから取り寄せた「創世セット」で畳の下の亜空間に新たな宇宙を作り、地球型惑星の歴史を観察するという夏休みの自由研究の話が出てきます。ドラえもんが届いたセットを開けて、畳の上にシートを広げて亜空間を作り、瓶詰めに入ったクォークとレプトンとゲージ粒子を亜空間にばら撒き、まんべんなくかきまぜて新しい宇宙を作るのです。2…